定義と例
内容と意図
感情情報
認知情報
言語情報
内容と意図
どんなメッセージにも、中心には「内容」と「意図」があります。内容は何について伝えるのか、意図はそれによって何を目指すのか、相手にどんな反応を期待するのかを表します。
ヨーゼフ・ボイスは作品「フェットエッケ(脂肪のコーナー)」で、部屋の隅に動物性の脂肪を置きました。見慣れない素材を使うことで、アートの常識を問い直し、見る人に変化や死について考えてもらおうとしたのです。
感情情報
感情情報とは、メッセージに込められた気持ちや、その場の雰囲気のこと。送り手が何をどれほど強く感じているかも関係します。自覚している感情だけでなく、気づかないうちに行動や相手の反応に影響するものも含まれます。
傷みかけた脂肪を見れば、嫌悪感や不快感を覚えるかもしれません。同時に、腐敗や死を連想する人もいるでしょう。ボイスにとって脂肪は、真偽が議論されている戦時中の体験とも結びつく、個人的な素材でした。
認知情報
認知情報は、知識、記憶、経験、想像力、考えをメッセージへ取り込む働きです。複雑な内容を整理し、小さく理解しやすい単位にまとめることも含まれます。私たちが情報をつなぎ、意味を見いだすための土台です。
ボイスにとって脂肪は、ただの素材ではありませんでした。真実かどうか議論のある自身の体験と結びつけながら、素材が変化すること、残ること、消えていくことについて問いを投げかけています。
言語情報
言語情報は、頭の中にある意味を言葉にする働きです。話すときも書くときも、使う言語、言葉選び、文の組み立て、表現や敬語などを調整し、内容と意図に合う形にしていきます。
ボイスが付けた題名は、ただ「フェットエッケ(脂肪のコーナー)」。難しい芸術用語ではなく、ごく普通の言葉です。そのシンプルさと作品に込められた複雑な意味の差が、見る人の興味を引き、考えるきっかけをつくります。